学部留年5

教官に呼び出され、ほぼ初めて自分の所属する研究室内に入った。

そして面談の中で、以下2点を残り1年で仕上げる計画を提案された。

・単位取得:残り100単位近く

・卒論作成:単位取得を最優先して、残った時間でできる実験計画を作成

 

今思うと、えらく面倒見の良い教官である。

自分の卒論指導も買って出てくれた。というか彼がイニシアチブを発揮する以外に、自分のような問題児を卒業させるという力技は不可能だったのだろう。

 

単位取得のため、必修科目は勿論として、選択科目も基本的にほぼ全コマ(すなわち月~金の1~5限)履修することになった。一般的な大学生活を経験した人ならお分かりだろうが、肉体的・精神的にかなり無理がある計画である。

 

そしてこの計画の中で個人的に一番きつかったのは、2学年下の下級生たちにまじって多くの必修科目(実験/実習)をこなさなくてはならないという点だった。5回生(5年生、あるいは2回目の4年生)の春にこのハードルを越えられないと、早々にもう一年の留年が決まるという格好である。その場合、休学or中退の二文字がちらついてくる。

 

時間はあっという間に過ぎ、5回生の4月がやってきた。