学部留年7

それから、必修科目には毎回出席した(当たり前だが)。

とある実習では、教官が自分の顔を見て「お!戻ってきたな!」と妙にうれしそうにしていた。毎年のようにフェードアウトしていく学生がいる一方、戻ってくるやつもたまにいるということらしい。

 

自分が留年生だという事実は、すぐ皆の間で共有された。皆はじめは一様に驚いて(呆れて)いたが、すぐに慣れてしまったようだ。

気付けば自分は、比喩的に言えば2学年下のクラスに転入していた。

その「クラス」の中での自分はかなり不思議な存在だったろう。専門課程の基礎的な授業を履修しながら並行して卒論のデータを集めていたわけで、順番がおかしい。

 

自分は異分子だったが、幸いにも排除されることは無かった。留年ネタでいじり倒されることもなく、むしろ気遣われていたような・・・

まあ二十歳を過ぎた成人の集団なので、そんなものなのかもしれないが。

 

そして、自分も「クラス」の中で何人か気の合う友人のようなものが出来、それはいつしか、男女10人程のグループのようになっていった。中学時代からずっと陰キャで通してきた自分にとっては、かなり不思議な環境が出来上がっていた。