学部留年10

筆を擱くと言っておいてすぐに再開してしまうのだった。

 

学部で留年する羽目に陥った状況について、かつて自分なりに分析・総括しようと試みた。いや、大学を出た後も未だにこのことを考え続けている。

 

3回生時に以下の二点を発症してしまったのが、留年の直接的な原因である。

・生活サイクルの崩壊=昼夜逆転

・講義をサボる

 

毎朝適切な時間に起きて家を出て、学校なり会社なりに出かけるという何でもない事が、ある種の人間にはちょっとした難題になりうるのだ。

 

自分は院生時代、入眠する前によく考えていた。

このまま朝目が覚めず、寝続けたら大学をサボることになる。恐らく次の日も日中は起きれず、サボり続けることになるだろう。きっとしばらくすると大学への恐怖感が産まれ、ついには二度と社会復帰できなくなるのではないか?

実は眠りは恐ろしい。

 

自分の好きなハチワンダイバーという将棋漫画に、日常と非日常、常識と不条理の世界を隔てる壁は極めて脆弱で容易に砕けてしまう、という台詞がある。そう、「薄氷一枚」である。

自分の足元の氷は、大学3年のあの日に砕けたのだ。ただそもそも自業自得な点を考えると、むしろ自分で氷を踏み抜いた上で飛び込んだといったほうが良いのかもしれないが。

 

留年で一年を棒に振ったことはもとより、半引きこもり生活だった2年弱の間にだいぶ脳が錆びついてしまったと思われるのが、返す返す悔やまれる。 

5年かかって学部を卒業した際は、これからはまっとうに生きよう、規則正しい生活を維持しよう、と思っていた。まあ、結局大学院で就留してしまうわけだが・・・