戦略爆撃の講義

東大教養学部にて、選択科目の近現代史で「戦略爆撃」をテーマにした異色の講義があった。※ずいぶん昔の話なので、さずがにもう無いと思われる

 

20世紀の戦略爆撃史を概観する内容で、日本軍による重慶爆撃に始まり、連合軍によるドレスデン爆撃、東京大空襲へとつながっていく。広島・長崎もカバーしていたと思われる(多分)。

印象に残っている内容を以下つらつらと挙げる。

 

重慶では零戦が当時としては空前の格闘能力を発揮、中国軍の戦闘機をことごとく撃墜した。おかげで日本軍の爆撃機重慶上空で十分すぎる程の滞空時間を確保できた。

ドレスデン爆撃に関係して、ヴォネガットの「スローターハウス5」を解説

・ドイツ各地への強力な戦略爆撃の結果、終戦後にボロボロのインフラ(道路・港湾等)が残された。→ここまで爆弾を落とす必要はなかったのでは?との意見が連合軍内部から出た程

東京大空襲ではB29の大編隊が低空で侵入。この時点で日本の迎撃機の脅威が低かったからこそ可能な作戦だった。本作戦を指揮したカーチス・E・ルメイはドイツへの無差別爆撃で功績をあげ、「屠殺王」の異名を取った人物。彼は「条件さえ整えば核兵器を使わずとも通常兵器の空爆だけで都市に壊滅的なダメージを与えられる」という自論を東京で実地証明する格好になった。

・ルメイは戦後、航空自衛隊から叙勲されている。→普段テンションの低そうな東大生たちが、さすがにこの時は気色ばんでいた

 

※「屠殺王」の件は日本語・英語でググってみてもそれらしい記述が見当たらず、自分の聞き違いor記憶違いの可能性あり。

ja.wikipedia.org日本語版Wikipediaには「日本側から「鬼畜ルメイ」「皆殺しのルメイ」と渾名された」とある。うーむ「鬼畜」を「屠殺王」と聞き違えたのだろうか...