2019-01-01から1年間の記事一覧

コロンブスのスペイン語

ウェブ上で興味深い論文を見つけた。 大航海時代の外国語学習--コロンブスの場合 (堀田, 2014) 愛知県立大学学術リポジトリ コロンブスの書き残したスペイン語にはセディーユが含まれている。(当時のスペイン語では現在"z"を使う箇所で"ç"を使用) また彼の…

戦略爆撃の講義

東大教養学部にて、選択科目の近現代史で「戦略爆撃」をテーマにした異色の講義があった。※ずいぶん昔の話なので、さずがにもう無いと思われる 20世紀の戦略爆撃史を概観する内容で、日本軍による重慶爆撃に始まり、連合軍によるドレスデン爆撃、東京大空襲…

beltの語源はエトルリア語

en.wiktionary.org balteus - Wiktionary エトルリア語に起源をもつラテン語balteus→ゲルマン祖語*baltijaz→英語belt →スペイン語balteo スペイン語balteoは「ベルト」の意味だがほとんど使われず、専らcinturónが用いられる。 ちなみにコンベアベルトのよう…

パトロン・パターン・メセナ/パターナリズムとパターン主義

父権主義・温情主義などと訳される英語"paternalism"=「パターナリズム」。 Paternalism - Wikipedia パターナリズム - Wikipedia この語の語源だが、直にラテン語"pater"を参照する説が日本語ネット上でしばしば見かけられる。だが、見ればわかる通りこの語…

スペイン語の左右

スペイン語では (西)derecha:右 (西)izquierda:左 であるが、文語としては以下の単語も存在する。 (西)diestro:右の、器用な (西)siniestro:左の、不吉な これらの語源は以下のラテン語である。 (ラテン)dexter:右 (ラテン)sinister:左 「…

古代ローマとエトルリア人

古代ローマはエトルリア人を吸収・同化したが、エトルリア人はローマに抵抗なく受け入れられたのだろうか? 王政時代にはエトルリア人がローマ王になったりしており、ローマ人と対等に扱われていたように思っていた。なので平和裏にかつ自然に同化が進んだも…

スッラの墓碑:最良の友人にして最悪の敵

米第一海兵師団のモットー"No Better Friend, No Worse Enemy" 日本版Wikipediaでは「より善き友、強き敵」と訳しているが、この元ネタとなったのは古代ローマの独裁官スッラの(自作の)墓碑銘であり、その英訳とされているのは以下の通り。 "No friend eve…

ジパングあるいはシパンゴ

Cipango - Wikipedia, la enciclopedia libre いわゆる黄金の島ジパングーZipanguとしておなじみの名前だが、欧州ではCipangoあるいはCipanguがメインであり、イタリア語でややZipanguの用例が見られる、という程度らしい。 シパンゴ・シパングだと違和感が…

キケロの言葉

“Non enim tam praeclarum est scire Latine quam turpe nescire.” (It is not so excellent to know Latin, as it is a shame not to know it.) — Cicero 「ラテン語を知らないのは恥であり、使えるからと言ってそれほど大層なことではない」 ―キケロ

帰刃(レスレクシオン)とかいうスペイン語

ブリーチの破面(アランカル)編にはオサレなスペイン語が沢山散りばめられていました。 例えばアランカルは恐らく"arrancar"「剥がす」ですね。 帰刃(レスレクシオン)は、「復活・再生」を意味する"resurreción"ですが、この単語の語頭のrとそれに続くrr…